Q東京への出稼ぎ労働者3人が石綿肺(写真)
A男さんは泌尿器関係で手術をしたときに石綿を吸った跡がみられるので相談室に行ってください。相談室では石綿は分からないので労基署に行ってください。結局、解らず苦悩の日々。(後日詳細に事例へ) 入っている組合の機関紙へNPO副理事長(写真の右から二人目)の活動報告。「これだ、と相談電話へ」。
A 3人が石綿健康管理手帳取得で健康管理
A男さんの職歴を聞くと一緒に東京に行った出稼ぎ仲間が近くに2人いることがわかりました。これは同僚証明の必要性からも必要でした。その後、石綿労災の仕組みの学習と今後の対応を話し合う機会をつくりました。話し合いの結果まず、石綿健康管理手帳取得のための専門医の診断を受けました。レントゲン、CTから軽度の石綿肺と診察されました。コロナウィルスの関係で呼吸器系の診察は後日になりました。三人とも今後、年二回の石綿健康診断を無料で出来て自身の健康管理できることにホットしています。
Q 建設組合の健康診断で石綿の指摘をうけたが・・・
A男さんは青森県の建設組合の大工の組合員。健康診断のレントゲンフィルムで石綿の痕跡を指摘されました。「石綿は怖いもの」と教えられていたので所属する組合に相談。「東京に行けば専門医を紹介する」と言われましたが、何が何だか良く分からず悶々としていました。地元紙を見てNPOに相談。
A 肺の詳細な検査をする
「石綿の影がある」と言われ悶々としている建設労働者は多くいます。いわゆる胸膜肥厚班(胸膜プラーク)は石綿を吸った痕跡ですが、痕跡であり病気とはいえず病気になる可能性です。A男さんには肺呼吸の精密検査をすすめました。住まいの八戸市の青森労災病院に受診理由を書き、「じん肺健康診断結果証明書」の検査を依頼しました。
検査結果、エックス線写真による検査、胸膜肥厚班は見られるが粒状影、不整形陰影ともに0。肺機能検査、肺活量4.15ℓ、努力肺活量4.09ℓ、1秒量2.78ℓ、1秒率68.0%、%1秒量103.2%、%肺活量121.5%という結果でした。要経過観察の診断。
A男さんは、「結果が解ったので良かったです。明日から依頼されている大工仕事に入ります」。
Q 父が旧国鉄のバスの運転手で石綿肺・・・
A子さんのお父さんは旧国鉄のバスの運転手していました。80歳過ぎてから呼吸が厳しくなる。戦時中のバス運転者は整備もおこない、木炭自動車だったので石綿器具の熱炎機関の補修も。主治医は石綿肺の可能性を指摘し労基署に労災申請。
A 国鉄清算事業管理部が受付機関
旧国鉄の工場、機関区、電車区、客貨車区、自動車営業所、船舶関連等の職場おいて業務に携った主な職員の石綿ばく露を否定していません。A子さんのお父さんのように木炭自動車を運転していた「戦時中の人」でも、長年の潜伏で石綿が発症する人がいます。A子さんに国鉄清算事業管理部から所定用紙を取り寄せて送りました。
Q 病名による労災の可否で労災申請は難しい・・・
介護職に従事するA子さんは長年の過労から膝の調子が悪くなる。病院で診てもらうと「半月板損傷」でこの病名では労災申請は難しいとのことで、会員さんからの情報で相談。
A 「増悪」(持病があったけど、過度の仕事の動作で働けなくなった)があります。
職業病には「増悪」(働けていたけど、過度の仕事の動作などで働けなくなった)があります。例えば高血圧で薬を服用していた人が長時間労働によってそれが原因で働けなくなくなった場合と同じです。
A子さんは介護職で働いていた時、どうしても痛く働けなくなった時の状況、日時、場所、動作などを詳細に証拠として提出。労基署の聞き取りにも同じように回答。4カ月近くかかりましたが労災認定。
「病名による労災の可否」が医療機関にはまだ多くあります。今回の相談は半年ぐらいかかりましたが、一つの経験を作ることができました。
Q 国会議員、都議会議員、区議会議員に相談したが
足立区在住のAさんが肺がんを患う。熱絶縁、ダクト工として50年仕事をする。かかりつけの病院から石綿が原因かもしれないと通告される。地域の区議会役員に相談したら「区長も大臣も知っているので対処するから大丈夫」といわれる。待てど暮らせど何の連絡もなし。元請のサブコンで働いていた。当時の現場監督が会社の役員に就任しているので「当時の現場のことを知っているので労災申請のつてを依頼」しかし、役員にもなっているので協力は出来るが申請援助は出来ないといわれる。
A 赤ちょうちんの仲間からNPOへ
近所の赤ちょうちんの仲間Aさんに相談。AさんはNPO理事と知り合いだったので、当NPOに相談。相談員が自宅訪問し申請に必要な関係書類や写真などを「家探し」。中学卒業時に勤めた会社から「20歳記念アルバム」発見。就業時の証拠となる。2回目に勤めた会社の「会社名が入った社員旅行写真」も発見。 厚生年金に会社が入っていなかったのでこのような「現物証拠」で職歴証明する。また働いた事業主、同僚も亡くなっていたが、数人から証明書をいただいた。申請人Aさんの人柄が幸いした。 その後Aさんは労災認定。
NPO法人 石綿被害者支援の会
代表 松舘 寛
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